smileLIFE
季節を愉しむおいしい暮らし〝2月〟
2023.1.27

〝冬から春への変わり目に〟
『一月は往ぬる(行く)、二月は逃げる、三月は去る』…とはよく言ったもので、お正月から三月頃までは行事も多く、落ち着く間もなく過ぎてしまいます。
特に、二月は通常28日しか日数がないので、より早く、気づいたら三月に。
花咲く春ももう目前。
とはいえ、まだまだ寒い日は続きます。
暦の上では節分の2月3日が冬と春との変わり目で、旧暦では、一年の始まりは節分を終えた翌日の立春からと考えられていました。
その変わり目の日に「鬼は外〜、福は内〜」と豆まきをする節分は、邪気を払い清め、一年間の無病息災を願う行事です。
では、なぜ節分には豆をまくのでしょう?
それは〝魔目(まめ・豆)〟を鬼の目にぶつけることで鬼を滅し邪気を払う、〝魔を滅する=魔滅(まめ)〟とされ、豆に魔除けの力があると信じられてきたからです。
芽が出る寸前の春の豆は生命力の象徴でもあります。
日本のおまじないや風習に登場する食べ物は、健康に良く、自然の法則に則ったものばかりですが、大豆もそのひとつ。
大豆は畑の肉といわれるほどたんぱく質が豊富で、ビタミンやミネラル、イソフラボンもたっぷり。
日本の食生活に古くから馴染み、日本人の長寿の秘訣はみそや豆腐などの大豆製品にあるといわれるほどです。

節分に使う豆は、前日に炒って桝(ます)に入れ、豆まきを始めるまで神棚にお供えするか、神棚がない家では目線より高い場所に供えておきます。
豆まき後の拾い忘れた豆から芽が出ると、良くないことが起こるとも言われるので、豆は必ず火を通しておきましょう。
スーパーで買える節分用の炒り豆でもOK。
豆をまくのは、節分の夜です。
その年の干支の年男・年女が行うと吉。
ご家族に今年の干支の卯年の方がいたら、ぜひ豆まき役を♪
そして豆まきが終わったら、一年の厄除けを願い、それぞれの歳の数より一個多く豆を食べます。
なお、地域によっては豆まきのかけ声ややり方に違いがあり、豆まきに大豆を使わず、落花生などを使うところもあるようです。

豆まきとあわせて、今や全国的に広まって定番化してきたのが『恵方巻き』の風習ですね。
そのルーツは大阪にあり、七福にちなんで、七種の具を使って〝福〟を巻き込んだ太巻き寿司を『恵方を向いて丸かじりして無言で食べきれば願いが叶う』といわれるもの。
スーパーやコンビニなどでも趣向を凝らしたさまざまな恵方巻きが並びますが、自分好みの具材を入れたお手製のオリジナル巻き寿司を作ってみても楽しいですね。
縁を切ることなく、商売繁盛の運を一気にいただく縁起物。
その年の年神様がやって来るとされる恵方は、2023年は『南南東』です。
季節の行事を楽しみながら、もりもり食べて、心も体も元気に春を迎えましょう!

画像素材:PIXTA