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とっとり季記・5月
2023.5.8

夏の気配が強くなる立夏の侯。
青々とした緑、爽やかな風、気持ち良い五月晴れの季節です。
ゴールデンウィークも越え、新年度が始まった慌ただしさも一段落し、腰を落ち着けて本格始動という心持ちの方も多いかもしれません。

鳥取県内ではこの連休中にお祭りが行われた神社がたくさんありました。
県中部の三朝町(みささちょう)では、国指定重要無形民俗文化財に指定された三朝温泉・花湯まつりの大綱引き『陣所(じんしょ)』を3年ぶりに開催。
山から切り出した藤カズラを材料に、重さ2トン、長さ約80mの巨大な綱を2本編み上げ、東西に分かれて引き合う勇壮な伝統行事で、東が勝てば豊作、西が勝てば商売繁盛と言われています。
綱に触ると無病息災とされ、地域を挙げて賑やかに行われるお祭りです。
春先から5月頃にかけては日本各地の多くの神社で様々な祭事が行われます。
この時期のお祭りは、主に、農作業の開始にあたり農事が順調に進行できるように神様へ御奉告し、五穀豊穣を願うとともに、農作業が忙しくなる前の慰労行事でもある大切な習わしです。
農耕が身近ではない生活をしていると、お祭りの意味に気づかないことも多いかと思いますが、お米を主食とし自然の恵みをいただいている私たちの生活にとっては、決して他人事ではない大事な節目です。
お祭りの賑わいを楽しむだけでなく、豊作の願いと恵みへの感謝の祈りを捧げたいと思います。

耕された畑や水が引かれた田んぼの周りでは、蛙の鳴き声も賑やかに聞こえるようになってきます。
実は、鳴くのは雄蛙だけ。
雌蛙に選ばれるために競い合うように大きな声でアピールして鳴くのだそうです。
青空には鳥たちが求愛する美しいさえずりが響き渡って聞こえてきます。
生き物たちの恋の季節の到来です。
耳をすませてみませんか♪
画像素材:PIXTA