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とっとり季記・8月
2023.8.1

もっとも暑い真夏の頃を示す『大暑』の末候、『大雨時行(たいうときどきふる)』の季節を迎えました。
言葉どおり、ときどき大雨が降る時期です。
青い空にむくむくと湧きあがる真っ白な入道雲が夕立になり、大地を潤します。
雨がざーっと降った後、すっと気温が下がって爽やかさを感じられる一瞬に、心も体もホッとします。
雨は、命を育む水を与え、生態系を豊かにしてくれる大切な恵みです。
しかし局地的にまとまって降る集中豪雨も多くなっていますので、十分に用心しましょう。
夏は暑くて当たり前…とはいえ、近年の暑さは命を脅かすほどで、熱の上手な逃し方に気を配らなければなりません。
暦の上では8月8日が『立秋』。秋の始まりですが、実際には夏の暑さのピークにあたります。
これからまだまだ酷暑が続きますので、暑さ疲れをためないように上手に体を労わりながら過ごしたいものです。

8月は、まとまった夏季休暇をとる方も多いのではないでしょうか。
今年の夏はイベントも例年どおり開催されるところが増え、行楽や帰省を楽しみにされていることと思います。
多くの地域では、8月13日から16日に先祖の霊を迎えて祀るお盆の期間を迎えます。
その風習や過ごし方は、地域や信仰する宗派などご家庭によって様々なやり方が受け継がれています。

鳥取県西部地域でのお盆の過ごし方の一例をご紹介します。
お盆初日、8月13日の夕暮れに、仏壇のあるお家では玄関先などで〝迎え火〟を焚き、「盆さん、盆さん、この火に乗って、ござ〜い、ござ〜い」(※ござ~い→おいでください)という言葉をかけます。
台詞は同じ地域でも各ご家庭で微妙に異なるかもしれません。
ご仏壇のまわりには、ナスやキュウリに割り箸などで足をつけて牛馬に見立てた精霊馬や、盆提灯、精進料理のお供え膳や果物、お花などをお供えします。
お墓は草取りなどをして綺麗に整え、お花を飾り、お盆の間は毎日夕刻から墓前灯籠に火を灯します。
お寺の開山堂の仏壇も同様に整え、お参りします。
そして最終日、16日の夕刻に、玄関先などで〝送り火〟を焚き、「盆さん盆さん、この火に乗って、いなさい、いなさい」(※いなさい→お帰りください)という言葉をかけて、お盆期間の終わりを迎えます。
お盆は、年を重ねるほどに感慨深い習わしに感じてくるように思います。
仕事や行事などでお墓参りに出向くのは難しいことも多いですが、その場に行けなくても、心だけでもご先祖さまに向け、故人さまとのつながりや昔のことを思い返すひと時になればと思います。
まだ当分暑さの厳しい毎日が続きますが、お体に十分お気をつけて、楽しい夏をお過ごしください。
画像素材:PIXTA