smileLIFE
フローラルスタイリストYokoの
花でたどる季節の楽しみ
生花を使って長く楽しむ♪
ドライフラワーになるお花たち
2023.8.10

Yoko
サロン『atelierjuno』を主宰するフローラルスタイリスト。多方面にわたった花の仕事で活躍中。〝季節のお花とお茶の時間〟をテーマにしたInstagramでは、国内外に多くのファンをもつ。
https://miroom.in/rooms/181
https://www.instagram.com/atelierjuno/

亀尾育子 2児の子育てに奮闘するエミネット社員。年を重ねるごとにお花や植物を育てることに興味が出てきているが、ガーデニングは初心者。花のある暮らしに憧れる。


夏の暑さを活かしてドライフラワーを飾ってみましょう
夏になって暑くなると生のお花を飾っても、高温すぎてすぐにダメになってしまいます。
そんな時季は、生のお花で流通しているけど、簡単にドライフラワーにできる植物をお部屋に飾ってみましょう!
今回はドライフラワー入門として、皆さんが簡単にドライ化できる植物をご紹介したいと思います。
ドライフラワーは、もともとドライフラワーとして売っているものもありますが、本物の植物なので経年劣化は避けられず、売られているものがいつ作られたドライフラワーなのかは分かりません。
それならば、生のお花として売られているものを自宅で簡単にドライフラワーにした方が手軽だし、作りたては色が綺麗なので良いですよね!
お花はどんなものでもドライフラワーに向いているわけではなく、簡単にできるものとそうでないものがあります。
今回のレッスンでは簡単にドライ化できて、手に入れやすいスターチス(リモニウム)を使って亀尾さんにレッスンを受けてもらいましょう!
さて亀尾さん、このスターチスという植物は知っていますか?


右の2つは見たことがあります!お花なのにカサカサしていて不思議ですよね。
左のお花もスターチスですか?

そうなんです。
薄い紫と濃い紫のものは昔ながらのスターチスで、たぶん読者の皆さんも、「あ!昔ながらのスターチスは知っている!」という方が多いと思います。
左の小さな花はブルーファンタジアと言って、これもスターチスの一種で小花系の品種です。こちらも比較的見つけやすいと思います。
最近は昔ながらのパキッとした色合いに加えて、ニュアンスカラーと言われる淡く少しグレイッシュな落ち着いたトーンの色合いも多く出てきて、花の大きさも様々なバリエーションがあるため1年中重宝される花材のひとつとなりました。
今回は紫系のグラデーションになるよう、花の大きさも大きなものと細かいものと合わせて3種類使い、リース土台を利用して流行りのハーフリースを作っていきます。
ハーフリースとは、リース土台のうち半分くらいにお花を入れて、残りの半分はあえて土台を見せ、抜け感のある仕上がりにする人気の作り方です。


スターチスは簡単に花用のハサミで切れるので、ある程度小分けにカットして準備をしていきましょう。
斜めにカットすると、リース土台の隙間に入れやすくなります。
そして今回、亀尾さんは初めて作るので、グルーガンでのり付けする前に一度練習でお花をリースの隙間に挿し込んで、バランスを確認してみましょう。
ハーフリースは、リースの左側の中央のあたりから、花が上、茎が下にくるようにスタートします。
そうすると、次に入れる時に必ず先に入れたものの上に植物を重ねることになるので、入れやすいです。


まずは、どんどん小分けにしていき、リース土台に挿し込んでみます。


良いですね。
それでは本番です♪
練習した通りに挿し込むのですが、今度はカットした茎の付け根にグルーガンでのりを付けます。
グルーガンは高温でのりを溶かして接着していくので、やけどをしないように手袋をすることをおすすめします。
ガーデニング用の手袋だと表面にビニールコーティングされているため、手袋にのりが付いても固まったあと簡単にペリペリと剥がすことができます。
のりを付ける時は、茎の下1cmくらいのところに付けましょう。
リース土台に挿せるようでしたら挿した方がしっかりくっつきますが、挿せなくてもある程度植物が入り、茎の先端がリース土台にくっつけば外れることはないので大丈夫です。
グルーガンはすぐ固まってしまうので悩まず即リース土台に挿し込んでいきましょう!

茎が入れにくいところもありますね。
今回は3種類のスターチスを使っていますが、どのような順番で挿していくと良いですか?

それぞれが交互になるように入れるとバランス良く仕上がります。
リース土台に対して、正面、内側、外側の順に入れて繰り返すと立体感が出て素敵です。
ふんわりさせたい時、植物素材を立ち気味に入れれば少ない材料でもボリューム感があるように見えますよ。
リースの作り方はワイヤーを使うか、グルーガンを使うかとなりますが、今回のグルーガンは初めてさんに向いています。
というのも、後から見てちょこっと足したい時などにものりだと簡単に後付けができるからです。
角度をつけるのものりだと簡単です。
ですので、失敗を怖がらずにどんどん入れていきましょう!

こんな感じですが、どうでしょうか?


上手に半分できましたね。
全体を見て、隙間が空いているところにもう少し足していきましょう。
小花のスターチスをたくさん使うと、グッとおしゃれに見えますよ。
ハーフリースの場合は、ある程度自由奔放に植物が入っていた方がおしゃれに見えるので、思いきって、大胆に入れてOKです♪
今回はリースの下半分に植物が入ったハーフリースですので、作品を正面から見ると右側に挿し終わりの茎が見えています。
最後にこの部分を隠すようにリボンを結びます。

これで完成です♪
あとはフックをワイヤーで作ってあげましょう。
25cm程度のワイヤーを用意し、リース土台の中にワイヤーを通したら上でまとめて2本をねじります。
輪っかを作ってさらにねじり、ワイヤーの先をグルーガンで止めます。
麻ひものようなもので結んでフックにしても可愛いですよ。

ワイヤーフックもできました!
これで完成ですね♪
とっても可愛いです!
難しそうだなと思いましたが、できあがった作品を見るととても可愛くできて気に入っています。
隙間が気になっても後から足して調整ができるので、初心者の私にも作りやすかったです。
この後どんなふうにドライ化していくのか、経過も気になります!
レッスンありがとうございました。


すごい!上手にできましたね。
こんなに簡単にお店で売っているような作品ができると嬉しいですよね。
作りたてはやわらかいですが、数日経つと飾っているうちに自然とカサカサとドライになります。
大抵の植物はドライになるとかなりサイズが小さくなるのですが、スターチスはそれほど縮まないので作った時のイメージのまま乾かすことができますよ。
あと、ドライフラワーを生のお花から作りたい場合、枯れかけの植物を使うのではなく、生のお花の一番良い時にドライ化を進める必要があります。
切り花は時間とともに咲き進み、色も褪色し花びらが散ってしまいますので、満開にさせたお花だとドライにしている間に散ってしまうことがあります。
今回使ったスターチスの、カサカサした色づいた部分はガクです。
お花はその中に小さく咲くんですよ。
なので、スターチスは花びらではないのでパラパラ散ることもなく、美しいドライフラワーにできるのです。
時間のある時にまとめて作って、夏生まれのお友達のバースデーギフトにしたり、ちょっとしたプレゼントにもとても喜ばれると思います。
スターチスもたくさんの色があるので、見つけた時にぜひ作ってみてくださいね!
スターチスは他の植物と組み合わせてリースを作っても可愛いです。
紫陽花や春のレッスンで植えたミニバラ、亀尾さんのお庭にあるユーカリもドライ化に向いていますので、今日残ったスターチスと一緒に使ってみてください。
紫陽花はドライフラワーにすることができるタイプとできないタイプがありますので、またどこかでお話しできればと思います。
今までドライフラワーを作ったことのない方も、簡単にできる植物を使えば失敗することなく素敵にできますよ。
ぜひ亀尾さんのように試してみてくださいね。

1ヵ月後、ドライフラワーになったのでしょうか?
生のスターチスを使ったハーフリースのレッスンから1ヵ月が経ったので、ドライ化しているのか確かめてみました。

比べてみると色もサイズも全然変わっていません!
ドライフラワーと言えばくすんだ色のイメージだったので、こんなに綺麗な色のまま保っていてビックリです。
触ってみると、より水分が抜けているような気がしますが、スターチスは最初からカサカサしているので大きな変化は感じませんでした。
スターチスがドライフラワーに向いている植物だということがよく分かりました!
