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とっとり季記・10月

2023.10.6

とっとり季記・10月

『暑さ寒さも彼岸まで』と言われますが、いつまで続くのだろうかと思えた暑さも、やはり秋分を迎える頃からぐっと秋らしさが強まってきたように感じます。

二十四節気『秋分』の末候『水始涸(みずはじめてかるる)』も終わりを迎える今。
収穫の秋となり、水が抜かれた田んぼでは稲刈りが行われる時期ですが、近年は田植えも稲刈りも全国的にかなり早くなっているとのことで、すでに稲刈りが終わっているところも多いのかもしれません。
稲刈りが終わると蛙たちは巣ごもりの準備。
季節は留まることなく進んでいきます。

秋は食べ物がおいしく、イベント事も多く行われ、豊かで美しく楽しいイメージが広がる季節です。
爽やかな秋晴れの空は、心まで浄化させてくれるような清々しい気持ちにしてくれます。
一方で、なぜだかふっと寂しいような気持ちになることも。
ころころと変わる秋のお天気のように、いろいろな想いが巡る季節です。

『天高く馬肥ゆる秋』と言いますが、実際、秋には雲が高いところに位置するようになることもあって、空が高く感じられるのだそうです。
うろこ雲(巻積雲・けんせきうん)やひつじ雲(高積雲・こうせきうん)、すじ雲(巻雲・けんうん)などが空に現れると、あまりの美しさに目を奪われます。
ただし、天気が下り坂になる前兆ともされるため注意した方が良いでしょう。

毎年10月22日頃と2月20日頃の年に2回、鳥取県米子市の米子城跡から、中国地方の最高峰・大山の山頂部に朝日が昇る『ダイヤモンド大山』を見ることができます。
気象条件が良い時に、1年のうちに数日しか見ることができない美しい光景を求めて、多くの人が城山頂上の天守台に集います。
伯耆富士と呼ばれる名峰・大山まで、遮るものの何もない見晴らしの良い城山から眺める景色はまさに絶景。
忙しい毎日の中では、太陽が昇り、沈む位置が季節によって変化していくことなど、あまり気に留めることもないとは思いますが、時には自然の中に身を置いて、広い宇宙で繰り広げられる壮大な営みを感じてみるのも良いかもしれません。

これからつるべ落としのごとく秋が深まっていくことと思います。
紅葉の時期も楽しみですね。
四季折々の自然がもたらしてくれる美しさを、皆さんも身近な場所でぜひ堪能してください。

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