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フローラルスタイリストYokoの
花でたどる季節の楽しみ

一足早く春を楽しむ球根の水栽培

2024.2.9

フローラルスタイリスト Yokoの花でたどる季節の楽しみ

Yoko サロン『atelierjuno』を主宰するフローラルスタイリスト。多方面にわたった花の仕事で活躍中。〝季節のお花とお茶の時間〟をテーマにしたInstagramでは、国内外に多くのファンをもつ。
https://miroom.in/rooms/181
https://www.instagram.com/atelierjuno/

Yoko

亀尾育子 2児の子育てに奮闘するエミネット社員。年を重ねるごとにお花や植物を育てることに興味が出てきているが、ガーデニングは初心者。花のある暮らしに憧れる。

亀尾育子
Yoko

お部屋の中で可愛い球根の
お花たちを飾りましょう

皆さん球根を水栽培で育てたことはありますか?
冬の寒い時期、まだお外にはお花がない時に室内で管理できる水栽培のお花たちは一足早く春の訪れを感じられ、気持ちを明るくしてくれます。

最近はお手軽に、すでに発芽して蕾まで付いている状態の球根がお花屋さんで売られることも多くなったので、この水栽培の球根を使って冬の楽しみをお伝えしていけたらと思います。

さて亀尾さん、球根のお花と聞いて、どんなお花を思い浮かべますか?

亀尾育子

球根といえばチューリップですね。!
春を代表する花で、幼い頃から親しみがあります。
小学生の息子も学校でチューリップの球根を植えた話をしていましたよ。
あとはヒヤシンスも良い香りでお気に入りです。

Yoko

そうですね、皆さんよく知っているチューリップや水仙、そしてヒヤシンスにムスカリ、アイリス、クロッカスやフリチラリアにアマリリスなどなど、たくさんの可愛いお花が球根の植物です。

庭に植える場合、冬に植え付けた球根は3月頃から芽が出てきますが、花付きの球根はちょっと早め、寒い盛りの1、2月頃にお花屋さんに並びます。
比較的お花屋さんでよく見かけるヒヤシンス、ムスカリ、水仙、ミニチューリップなどが、水栽培におすすめです。

ヒヤシンスはじわじわと花が成長していく様を観察できることと、香りが素晴らしく、お花が咲くと香水のような香りが部屋中に漂います。
水仙もテタテタという黄色い小ぶりな品種が出回ることが多く、こちらも明るく可愛い気持ちにさせてくれますのでおすすめです。
ムスカリはブルーや紫などの定番に加えて、白やピンクなどバリエーションも豊富。
ミニチューリップはその小さな花が本当に可愛くて、原種系の一重咲きのものから八重咲きまで、同じ植物には見えない姿形の違いが魅力です。

球根はネットショップでも購入できますが、できればお花屋さんで見て買ったほうが良いですね。
選ぶ時のコツは根っこがたくさん生えていて、黒く傷んでいないものです。
葉っぱの色も黄色くなっておらず、青々しているものが新鮮で良いです!

今回はオーニソガラム、ミニチューリップ、ムスカリ、アイリス、ヒヤシンス、 フリチラリアと盛りだくさんに用意して、球根をお部屋に飾るアレンジをレッスンしていきたいと思います。

オーニソガラム ミニチューリップ(一重咲き)ミニチューリップ(八重咲き)ヒヤシンス フリチラリア ムスカリ アイリス
亀尾育子

どれも可愛いです〜!
春を感じる可憐なお花たちに、気持ちが上がります♬
どのように飾るのか楽しみです!

Yoko

まずは、ちょっとお庭風に寄せ植えを作ってみましょう!

用意するもの
Yoko

寄せ植えといっても水栽培ですので土を使う訳ではなく、苔を使います。
水苔は乾燥した状態のものがホームセンターやガーデンセンターで販売されており、水を含ませて使用します。
ハイゴケはお花屋さんやガーデンセンターなどで売っていますが、自然豊かなところにお住まいの方でしたらちょっとした林や森で採取することもできますよ。

お水を張っても大丈夫な器の材質は、プラスチックでもガラスでも陶器でもOKです。
何種類か一緒にアレンジする寄せ植えなので、あまり小さな器でない方が良いですね。

それでは早速レッスンをしていきましょう。
まずは水苔を用意します。
乾物を戻す時のようにボウルなどに水をたっぷり入れて、そこに乾いた水苔を入れ、揉み込むようにして戻します。
たっぷり水分を含んだらキュッと絞って、余計な水分を落としましょう。

そして、使いたい器に、植え込む球根のサイズと同じくらいの高さまで水苔をまんべんなく敷いてください。
さぁ、やってみましょう!

亀尾育子

まずは水苔を水に浸して絞り、器に敷き詰めます。

乾燥ワカメのようにぐんぐん水を吸収します!器の底が見えなくなるくらい敷き詰めました
Yoko

良いですね。
それでは亀尾さん、球根のお花たちを器の上に配置してみましょう。
色のバランスや、形、背の高さなど生きているものなので様々ですから、一度仮置きして確認することが大切です。
ジグザグになるように置くと、バランスが取りやすいですよ。
まだ立てなくて良いので、横に寝かせるように仮置きしてみてください。

亀尾育子

このような感じでしょうか?
お花畑のイメージで、違う色が隣にくるように置いてみました。

全部で7種類!豪華なアレンジになりそうです
Yoko

バッチリです!
それでは一度、球根を器から取り出します。
この時、仮置きの場所を忘れないように順番に置いてくださいね。

次に、ボウルの水苔をひとつかみして、キュッと絞ります。
手のひらに水苔を平たく置いて、その上に球根を乗せ、根っこを包むようにまとめます。
餃子を包むように根っこをくるんであげるイメージです。
そして器に植え込むのですが、グラグラするようなら球根の周りに水苔をどんどん詰めていきます。
端に植え込む球根からひとつずつやってみましょう。

亀尾育子

小さい苔玉のようですね。
植え込んでもグラグラしていますが、水苔を詰め込むと根っこが傷まないか心配です。
お花の方向もあっちこっちを向いてしまうのですが、どうすれば良いですか?

ここまではできますが…植え込みに苦戦!
Yoko

水苔はぎゅうぎゅうに詰め込んで大丈夫です!
球根のお花たちは球根の部分に栄養が詰まっているので、根っこが少し取れても元気に育ちます。
そしてお花は生きていますから、光の方向に向かって咲いています。
アレンジが完成して1日経てば、シャキッと上に向いてくれるので心配しなくて大丈夫ですよ。
この調子で全部植え込み、それぞれが自立するようにお隣さんとの間にも苔を詰めてあげましょう。
揺らしても倒れないくらい詰め込んで固定してください。
最後に表面をハイゴケで飾り付けて完成です♪

亀尾育子

しっかり固定できるように水苔を詰め込みました。
そして、ハイゴケを飾って完成です!
春のお庭がぎゅっと詰まったような素敵なアレンジで、見ているだけで癒されます〜♡

思っていたよりもたくさん水苔を入れてちょうど良くなりました ハイゴケを入れるとぐ~んとお庭っぽくなって素敵! 完成しました 本当にお花の向きが整ってくれるのか不安でしたが、翌朝にはシャキッと上を向いてくれました♡
Yoko

素敵ですね!お部屋に春が訪れたようです!
表面にハイゴケなど本当に生きている苔を飾ると、より素敵な見た目になりますね。
このように苔に包んであげることで、根っこの乾燥を防ぎながら水やりをすることができます。
まずは根っこがヒタヒタになるくらいの水を張って、その後は表面のハイゴケを触って乾いてきたら霧吹きしてあげましょう。
根っこの部分が水に浸るのは大丈夫ですが、球根の上まで浸らないよう気をつけます。
常に適度に湿っている状態を目指しましょうね。

Yoko

球根の水栽培アレンジは無限大

球根の水栽培は苔を使った寄せ植えだけでなく、好きな器に好きな素材で簡単に生けることができるのも魅力のひとつです。
楽しみ方その2として、ガラス容器とビー玉を使ったアレンジもやってみましょう。

用意するもの
Yoko

用意するものは、花付き球根・器・ビー玉だけでとってもシンプル!
寄せ植えではないので、器のサイズは球根が入る大きさで十分です。
ジャムの瓶やプリンのカップなどお家にあるものでもOK。
まずは、球根・器・中に入れる素材の組み合わせを考えてみましょう。

亀尾育子

コップくらいの大きさのガラス容器だと、球根が3つ入りそうです。
寒色系のビー玉があるので、お花の色も青と白に合わせるのが可愛いと思います!

Yoko

ちょうど良さそうですね。
花の色とビー玉の色を合わせるとまとまりが出ますし、ガラスの透明感も素敵に見えると思います。

それでは、レッスン開始です♪
ガラス容器の3分の1程度ビー玉を入れ、その上に球根を乗せます。
球根が動かないように手で押さえながら、周りにビー玉を入れ込んで球根を固定します。
なんとこれで完成です!!簡単ですよね。
ポイントは、球根をしっかりと固定させることです。
寄せ植えの時も固定が大切とお話ししましたが、固定することでお花が安定し、元気に成長してくれます。
早速、やってみてください!

亀尾育子

底にビー玉を入れて、その上に球根を乗せ、周りにビー玉を置きます。
グラグラしないようにバランスを見ながらビー玉を入れて、固定できたら完成!
と〜っても簡単なのに、おしゃれにできて嬉しいです!

底に入れるビー玉は容器の3分の1程度 5分もかからずに完成です!
Yoko

美しいアレンジができましたね。
まだ材料があるので、どんどん作っていきましょう!

亀尾育子

たくさんできました〜!
簡単にできるので、ぜひ皆さんにもチャレンジしてほしいです。
ひとつあるだけでお部屋も気持ちもパッと明るくなります。

ヒヤシンスはとっても良い香り~!
Yoko

とても可愛くできました!素晴らしい!
そうしましたら、先ほどの寄せ植えと一緒に並べてみましょう。

亀尾育子

並べてみると、様々な器で好きに作ってもOK!ということがよく分かりますね。
自分の好みやお部屋の雰囲気に合わせて何通りものアレンジができそうです。

使わなくなった湯のみ 子どもが小さい頃に使っていたプラスチックの食器 キャンドルホルダー
Yoko

とっても素敵ですね。
好きな器・好きな素材が使えますので、球根の水栽培アレンジは無限大なのですよ。

ガラスの器に入れた球根は、お水の水位が根っこの半分くらいあれば大丈夫です。
お水が少なくなれば足してあげましょう。

球根のお花を長持ちさせるポイントは2つ。
1.球根を水没させない
球根のお尻より上がお水に浸かってしまうと球根が腐ってしまう原因になります。
根っこの部分だけにお水が浸かるようにしましょう。

2.球根を固定する
様々な器に生けるために、水苔や天然石、ビー玉、ガラス玉などいろいろな素材を使って安定させます。
グラグラしないようにしっかりと固定することが大切です。
水苔と天然石など、相性の良さそうなものをコンビで使うのもおすすめです。
容器の底に天然石を入れ、その上に球根を乗せ、周りに苔を詰めて球根を固定させると日本庭園を思わせる和風なアレンジができますよ。

そして、花が終わった球根はお庭の一角や、プランターなどに埋めてあげると運が良ければ上手く根付いて、翌年も花を付けてくれるかもしれません!
水栽培後、葉っぱを切ったりせず、そのまま土に埋めてあげれば大丈夫です。
私の経験をお話ししますと、水仙はほぼ間違いなく同じように元気に花を付けます。
ムスカリも出てきますし、増えます。
ヒヤシンスは出てきますが、花が細く小さくなります。
でもそれが可愛かったりするのです。

我が家は水栽培が終わった後の球根を埋める場所を決めていて、そこに毎年埋めるので、だんだん増えてきて可愛いコーナーになっていますよ。
亀尾さんもぜひそんなコーナーを作ってみてくださいね!
水栽培で楽しんで翌年も楽しめる。
また芽吹いて花が付くと本当に嬉しいですよ!

亀尾育子

来年も咲いてくれるなんて、びっくりです!何度も楽しめるのは嬉しいですね。
私はプランターに埋めてみようと思います。
来年も元気に出てきてほしいです!

Yoko

寒い冬、外は木々が葉を落とし、なかなか外に出ることもままならないそんな時、暖かい部屋の中で一足早く春を感じられる球根の可愛いお花たちは、暮らしに彩りをもたらしてくれます。
なりよりサイズが小さくて可愛い!
そして、ヒヤシンスなどは香りも素晴らしい!土がいらなくて、水だけで育てられて気軽!
終わった球根を土に埋めると来年も咲いてくれることが多く、また出会える喜びもあり、とても簡単なのに幸せ感が満載です!

海外ですと、素敵なアンティークの食器にたくさんの苔で植え込んだり、素晴らしいアレンジで冬のお部屋を彩っているのをよく見かけます。
日本より冬が寒く長いヨーロッパは春に対する憧れが一層強いので、球根のアレンジは春を感じられる素晴らしい〝暮らしのしつらい〟なのだと思います。

私も毎年冬の楽しみとして水栽培球根の花を飾ることが本当にワクワクです。
お子さんと一緒にもできますし、亀尾さんも冬の楽しみな行事にしていただけたらと思います。
皆さんも冬の寒い時こそ、お部屋の中で可愛い球根のお花たちを飾って愛でてみませんか?
ぜひ一緒に春の訪れを感じてくださいね。

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