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とっとり季記・3月

2024.3.1

とっとり季記・3月

今年は暖冬で、季節感が分からなくなるような気候が続き、エミネットのある鳥取県も雪の少ない冬でした。
温かいと過ごしやすくて良いのですが、動物や植物たちも混乱しているかもしれません。

さて、3月は桃の節句、雛祭りです。
七草・端午・七夕などにならぶ五節句のひとつで、雛人形を飾り、女の子の無事な成長を願って3月3日に行われる伝統行事です(月遅れの4月3日か旧暦で行われる地域もあります)。
鳥取県中部、高濃度のラドンを含む世界屈指のラジウム温泉として湯治に訪れる人も多い山陰の名湯・三朝温泉では、春を彩る恒例行事としてこの時期、旅館や商店など温泉街の各所に雛人形が華やかに飾られ、雛めぐりイベントが開かれています。

雛人形は平安貴族の婚礼の様子を表したものとされ、最上段に男雛・女雛が飾られ、下段にはお供の官女や護衛の随身、五人囃子など総勢15名と、嫁入り道具や御所車などがずらりと並びます。
最近は七段飾りや五段飾りの雛人形を飾るお家も少なくなりましたが、雛壇に飾る人形やお道具にはひとつひとつに意味があり、雛人形は、子供を災いから守り、身代わりになって厄災を引き受けてもらうためのものでもありました。段飾りに敷かれている赤い緋毛氈(ひもうせん)は太陽の色を表し、魔除けの意味が込められています。
『桃の節句』は、可憐で美しい桃の花に、邪気を払う魔除けの力があるとされ、百歳(ももとせ)まで生きられるようにと長寿の願いも込められているという説もあります。

雛人形は、健やかに成長して幸せな人生を送れるようにと、子を愛する親の願いがたくさん込められ受け継がれてきたものです。
そこに込められた想いを知ると、親に感謝し、子に受け継いで大切にしたいと思う行事です。
豪華なものでなくとも、ご家庭に合ったスタイルの飾りつけや季節の花などで雛祭りを楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。

3月の『春分の日』(2024年は3月20日)を境に、昼と夜の長さが入れ代わり、これから昼の時間が長くなっていきます。
春分は季節の大きな節目のひとつです。
春分の日は太陽が真東から登り真西に沈んでいくので、自分のいる場所から正確な方位をリアルに感じ取ってみるのも面白いかもしれません。

春夏秋冬と季節は巡りながら、気候はその年々によって暑かったり寒かったり変化することもありますが、それでも太陽は必ず毎朝東からのぼり、夕方西へと沈んでいきます。
夜空を観察していると、月も星も同じように東から出て西へ沈んでいくことがわかります。
果てしなく広い宇宙の営みを気にすることなどあまりないかもしれませんが、陽が昇り沈んでいくこの〝当たり前〟は、かけがえのない恵みです。
昨日に感謝し、今日を大切に過ごして、心豊かにまた明日へと進んでいきましょう♪

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